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さくたろう台湾へ行く その5 [プライベート]

さくたろう台湾へ行く その1

さくたろう台湾へ行く その2

さくたろう台湾へ行く その3

さくたろう台湾へ行く その4


最終日の早朝。

さくたろう体の異変で目を覚ます。



う、いてぇ。
お腹がいてぇ。

これ、ヤバい痛さじゃね?



トイレに数回駆け込む。


幸いなことに、やがて腹痛は治まる。



が、その代わり吐き気[がく~(落胆した顔)]




うん。確実に食当たりである。



いろいろ頭をよぎる。

いろいろ。


何に当たった?

台湾の水、そんなに悪いて情報なかった。

飲料水はすべてペットボトルだったし、

歯磨きのうがいは、水道水使ったけど、
そこまで注意喚起はなかった。

(ちなみにバリ島は歯磨きのうがいもヤバしの情報あり)


昨日なに食べた?
(前記事の『容疑者』参照)



え、今日、日本に帰れる?

この状態で飛行機乗れるの?

病院?無理。

これ以上滞在?無理。

いやだいやだ。帰りたい。




帰る!!
絶対帰る!!!


まあこの思考になるということは、
その程度の病状だったんでしょう。

「無理したらなんとかなりそう」
「なんとかしてやる」的な。

「動けない。死にそう。助けて」って状態ではなかったということ。
それはホント幸いだった。



飛行機は14時25分 桃園空港発。



「とりあえず、朝一で空港まで行こう!!」
「空港で待機!!」
「お土産も食事も空港ならなんとかなる!!」


ももぞうとがちゃぴんと相談し、
空港へ移動。


空港での長い待ち時間、
トイレに一番近い椅子で待機。



トイレに駆け込むこと数回。



幸いなことにピー子ではなく
ゲロ子だった。



もちろんたんびに汚れたトイレを掃除して出るのだが、
それがめちゃきつい。
何がきついって、トイレットペーパーのでっかいヤツよ。

台湾20231125014.jpg
こーゆーやつ。

ペーパーの端っこ探すのに苦労してやっとつかんだと思ったら、
すぐにブチ切れる。(紙うっすー)
片手は体支えてるから、残った片手で、
ペーパー使って掃除しようとすると、
めちゃくちゃきつい。


そんな中、
洗面台でうがいしてたら、
掃除のおばちゃんが来た。


「汚してごめん。掃除はしたけど…」
と弱々しく日本語で話しかけた。

すると、さくたろうの背後に回り、
丁寧に、首筋やら肩をマッサージしてくれた!!!

いちばんほぐしてもらいたい箇所ドンピシャ。



かなりマッサージしてくれて、
すっと軽くなり楽になる。



慌てて、スマホで、
「ありがとう。楽になった」と翻訳し、
画面を見せた。


「気を付けて帰んな」って言ってくれたと思う。笑

ほんまありがとう、おばちゃん。
(お金を要求されたワケではないはず…)

ゲロ子になりながらの国際交流。



お土産買わなきゃ。

ももぞうとがちゃぴんにお土産物屋さんに連れてってもらうと、

「これとこれとこれと、これら全部買っといて」と言い捨て、

トイレ前に戻る。



本当は観光途中で、
台湾名物パイナップルケーキをいろいろ試食して、
いちばんおいしいやつ見つけてたんだけど。

目の前にあったやつにした。


台湾茶も九份のお茶屋さんでおいしかったから、
買って帰りたかったけどさ、

もうどれでもいいやってなるよね。



やがてそろそろ搭乗手続きってころ、
行列に並べないので、別のトイレ前で待機。
がちゃぴんが並んでくれて、
ももぞうがそろそろ来てと呼びにくる。



そこで待っていると、目の前に車いすが数台待機。
あ、あれに乗せて~。
使わせろ~。←心の声。


立ってるのも辛くなり、その場にしゃがみこむ。

これが幸い。

空港スタッフが気づいてくれ、
目の前の車いす持ってきてくれたー。

助かった!!
なんとかなる!!


20231125008.jpg


車いすに乗せてもらい、
あ~これで列に並ぶのもなんとかなりそうだし、
日本が近づいてきたー!!


と、思ったらですね、
スタッフが車イスを押し、

セキュリティチェックを待ち時間なくやり過ごし、
そのままずんずん進んでいく。

台湾20231125009.jpg

行列は?

待ち時間は?



後ろからついてくるももぞうとがちゃぴんの声が聞こえてきた。

「こんな手があったとは…!!」


さくたろう、辛い顔しながら、
辛い体を車いすに預けながら、
心の中は大爆笑。


初日の関空、待ち時間3時間の伏線が、
見事回収できた瞬間だった。



さらにがちゃぴん、「荒地の魔女やん」

IMG_3693.JPG



心の底から、否定できんわ。



若者二人の中では、
最初からネタと化しているさくたろうゲロ子状態。


後から見ると家族のグループLINEには、
さくたろうの苦しむ様子の写真が
時系列でどんどんアップされとったわ。




車いすのままずずずぃ~と一気に搭乗口まで進む。

もちろん一番乗りなのでそこでまた待機だけど、
ここまで来たら、
もう飛行機に乗るだけ。

これ以上悪化させてはならん。
1ミリも動くもんか。
トイレ前の席に横たわり、
静かに搭乗を待つ。



そしたらですね、ももぞうとがちゃぴんが、
たぶんフライドチキン的なものを食べ始めた。

え、待って。
臭いきっつ。
ゲロ子再来。

「あっちで食べて」と言う気力も体力もなく、
呼吸を最小限にしながら、
1ミリも動かずに堪える。


吐き気をもよおしている人は、
たったこれだけの油の臭いもきついのね、と
妊婦以来久しぶりに実感した。



ようやく搭乗。
関空でも車いす用意してますから、と優しく声をかけてくれるCAのお姉さん。


携帯SIMの入れ替えも
出入国カードの記入も
すべてももぞうがやってくれ、
さくたろうは1ミリも動かない。

動いたらゲロ子。

片手にはエチケット袋。

この中でゲロ子は絶対に避けねばならぬ。



数か月前に呼んだ記事が頭をかすめる。

乗客が「機内中に下痢」 米旅客機、離陸直後に引き返す


不要な臭気を肺に入れないよう呼吸は浅く、
片手で体を支え、片手にはエチケット袋とハンカチ。
いちばん無難な姿勢で耐える。

たった2時間半さ。

命がけで耐えてやるよ。

いざとなったらエチケット袋に顔ごと突っ込め。



そして長い長いフライト(さくたろうの体感)から
開放されたのは予定通り(?)の17時55分。



やったぜ日本。
帰ったぜ日本。



するとCAが、
「車いす用意してますから
 お客さまがすべて下りられるまで待ってくださいね」

ありがたやー。

全員て多いのね。

たぶん15分以上待ってやっと最後の乗客が行ったので、
後に続く。



前の方も年配の方だから、
ゆっくり最後まで待ってらしたのね。

足元危なそうだけど大丈夫かしら。


そんなさくたろうの思考と
たぶん空港スタッフの思考は同じだったのだろう。



車いすを携えて待つスタッフは、
明らかに、要救助者を間違えた。



前の乗客に車いすを奪われたさくたろうたちは
静かにそこにたたずんだ。



ふと我に返ったももぞうが、
「車いす使わせていただけると聞いたんですが」



スタッフ。
やらかしたな。
(いや実際いちばんやらかしてるのは、
 食当たりでゲロ子になってるさくたろう。
 しかしそれは棚の上)



あせったスタッフも、
「入口まで歩いて行ってください」



意味ねー。
待ってた意味ねー。

と言い返す気力もなく、
とぼとぼとゆっくり歩く。


ももぞうとがちゃぴんは
あえて大げさに大丈夫?歩ける?
と介護する。



ようやくやらかしたことを冷静に受け止めたスタッフが、
申し訳ありませんでしたと
車いすを押し始めた。



辺りはもうすっかり暗くなっている。



さくたろう日本の地に戻ることができて安堵したのも一瞬で、
次の不安が。



関空から新大阪まで電車で移動。
そこから新幹線で広島まで帰れるのか?一人で。

時間も押し迫ってきている。



空港のドラッグストアでまずは吐き気止め買う?
それとも病院?


救急車呼んでもらう?
逡巡しつつ、
まずは発熱センターのような施設へ連れていかれる。


そこで検温して発覚。
38.3℃。発熱もしてた。


ただコロナの規制が終わった今
あなたをここにとどめておく理由はないので
どうぞお帰りください。

ここに来た意味…。



「ドラッグストアはありますか?」

「ちょっと離れたとこにあります」

行くのは困難ぽい。



がちゃぴんが決定打を放つ。

「救急車呼んでください」



よう言うた。
よし。
かつての反抗期大魔王も
人生を生き抜いていける判断力を身に付けていた。



インフルやコロナで医療も消防も忙しいのでは?
うん、でもごめんなさい。
こちらもどうしようもないです。
心で関係各所に謝りながら救急車に運び込まれる。

人生3度目の救急車。


台湾20231125011.jpg


ようやく関空を後にし、
病院へ運びこまれた。



病院で、ドクターに、
「台湾で?え?夜市で食事した?(笑)」
鼻で笑われた。

「まあ台湾での飲食による食中毒ですね」

同じ症状で運び込まれる患者も多いんだろう。

けっきょく出すもんは出したほうがいいからと
点滴管からは水分のみ。期待していた吐き気止めも処方されず、
整腸剤(飲み薬)のみ処方された。


「あの、一泊だけでも入院させてもらうことできませんか?
 一人で広島まで戻ることができないので」
聞くだけは聞いてみたが、
「あ~ちょっと無理ですねー」
そうはいかんかった。


となると、絶対に今日中に広島に帰りたい。

下手に大阪にホテル取っても、
次の日チェックアウトの時間気にしながら
起きて用意し、
一人で帰るのはしんどすぎる。



なのでももぞうが速攻でタクシー呼ぶ。

ももぞうとがちゃぴん、広島にいるまつのみくまさんの間で
既に話ができていたらしい。



タクシーで新大阪までぶっ飛ばしてもらう。



タクシー運転手、不安で仕方なかったと思う。
助手席のおばさん、
開けた口を天に向け、肩で息しながら1ミリも動かない。
一言もしゃべらない。
おばさんゲロったら、車中大惨事やないかい。
ただ、高額支払いの上客でもある。
さぞや心の中で葛藤しながらの道中、
おばさん、耐えろ!!と心の声が聞こえそうだった。



おばさん、耐えた。

晴れて2万円ちょっとの支払いをゲットできた運転手さん、
たぶん緊張してたのね。
Uberでクレジット支払いされてたはずなのに、
二重請求しようとしてたところを、
ももぞうが「え。もう支払い終わってますよね」と一言。


さすがももぞう。
こいつはそもそも生きる力は生まれた時から持ち合わせておる。



新大阪駅に着くと、
さくたろうを待合椅子に座らせ、

ももぞうが駅員さんとの交渉に走る。


その間、がちゃぴんは、
口に入れられそうなゼリー飲料などを買ってきてくれた。



うちの子たち、神だわ。



やがて駅員さん連れてきたももぞう。

駅員さんが、「ご気分が悪いとか。乗車できそうですか?」
の問いに、
「あ、吐き気がすごくて…」と答えるさくたろう。



ももぞうが後で、
「吐き気のある人は乗せられん言われたけん、
『気分が悪い』で押し通したのに」て。

ごめんかった。



でもお守りのエチケット袋はあります。
と言ったからか、
まあ仕方ないねって感じで車いす持ってきてくれた。


台湾20231125012.jpg


時間は、最終便の一本前。



ももぞうとがちゃぴんに別れを告げ、
ようやく新幹線の人となる。


台湾20231125013.jpg



車内では例によって1ミリも動かず。



広島駅に着くと、まつのみくまさんまでもがネタ写真の撮影。

台湾20231125015.jpg

おまえもか。


いや迎えに来てくれたことには感謝せねば。



家に帰れた!!


それから2日間、
ほとんど食べられず、吐き気と発熱、
3日目には回復した。



後から聞いたところ、

ももぞうはその日のうちに東京へ帰る予定を変更し、
がちゃぴんの家に泊まったらしい。

翌日東京に帰ったその夜、ゲロ子。

すぐに治ったらしいけど、

がちゃぴんは無傷。



3人ほとんど同じもの食べてたのに
犯人だれだったんだろう?



さくたろう的には、タピオカがいちばん怪しいとにらんでいる。



というワケで、
最終日にはネタの宝庫となった今回の旅行。

なにより無事に日本に帰れたことを感謝し、

完璧なフォローをしてくれたももぞうとがちゃぴんに感謝し、

ご負担やご迷惑をおかけした関係各所にお詫びと感謝し、

結果。普段できないことを体験できたこと。

批判を恐れずあえて言うならば
実り多き充実した
強烈なインパクトのある旅行でした。



ほんとうはね、もっといろいろ見たいものはあったのよ。
台湾花布生地とかさ、安くてかわいいだろうなー。

おもしろい小物とかさ。

お店回りとかもしてみたかった。



ちなみに買ったお土産はなんとか足りたけど、
台湾茶は自分のがなかった。

なので九份で持ち帰らせてもらった余った茶葉で、
台湾の余韻を感じている。


ま、なにより無事に帰られたことには変えられない。



最後にもう一度、
ご迷惑をおかけした世間の皆さん、

本当にごめんなさい!!



もう決してタピオカと小豆は口にしないと誓ったあの日から5日後、
しっかりとおぜんざいを頂きました。



あ、受診代とタクシー代は
旅行保険から下りた保険金で回収済みでございます。



おしまい。























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